11月2日の本日、東京都千代田区の日本記者クラブで記者会見が行われた
拘束時の様子や現在の心境について語られたが、武装勢力の名称や身代金について、パスポートの件、シリアで使われたとされる安田純平名義クレジットカードなどの詳細な情報はなかった
ただ、日本出国の際や帰国時の取材などで日本政府の対応を否定する発言があったが、今回の会見では日本政府や関係者に感謝や謝罪の言葉が述べられた
「解放に向け尽力していただいた方々に、おわびするとともに感謝申し上げる」
「私の行動によって日本政府が当事者にされてしまったことも申し訳なく思っている」
「紛争地にあえて入った、自業自得だ(日本政府には)できる限りの努力を続けてもらった」
現在は再度危険地域に取材に赴くかどうかについては未定という
会見開始時には、安田純平氏よりシリア拘束から解放までの経緯が記者に配布された
6月22日 深夜にトルコから徒歩でシリア入り。ホブス工場に入れられる
案内人の誘導と違う道を単独で進んでしまい、知らない人間に付いて行ったら拘束された
本人曰く「凡ミス」
23日 近くの民家に監禁
26日 深夜、車で移動し、集合住宅の地下牢に入れられる。
29日 一戸建ての民家に移動
12月7日 「日本に送るから個人情報を書け」と言われ書かされる
2016年
1月6日 家族からの質問項目の答えを書かされる
1月16日 別の一戸建ての民家に移動
1月19日 同じ質問項目の答えを再び書かされる
3月15日 動画撮影
武装勢力から台本を渡されたほか、「もっと感情的なものを出せ」と言われ、安田さんが用意した家族あてのメッセージを付け足して読み上げた。
公開される動画に日本政府や家族へのメッセージを入れると、誰かに解読される可能性があると考え、「公開される可能性のあるものにはメッセージは入れなかった」。安田さんが「助けてください。これが最後のチャンスです」と日本語で書かれた紙を持った写真については、武装勢力から内容を指定され、日本語で書くよう指示された、と話した。
また、拘束中も日本語で日記を書くことは許可されていたほか、テレビを見ることもでき、武装勢力から「我々は紳士的な組織であることを最終的に伝えてほしい」と言われたという。
5月9日 別の民家に移動
5月14日 ジャンダルマ?(憲兵隊?)拘束
5月23日 オレンジTシャツを着て、手書きメッセージを持って写真撮影
7月10日 「ジャバル・ザウイーヤ」の巨大収容施設(地上5階、地下1階?)へ移動
2017年
10月17日 動画撮影(2018年7月22日報道)
2018年
3月31日 ロの字型・平屋のトルキスタン部隊の施設に移動
6月半ば 「ウマル」の動画撮影(7月17日報道)
7月5日 イタリア人の囚人が同じ施設に入れられる
7月25日 「ウマル。韓国人」の動画撮影(7月31日報道)
9月4日ころ 動画撮影(未公開?)
9月29日 「ジャバル・ザウイーヤ」の巨大収容施設(地上5階、地下1階?)へ移動
10月22日 一戸建て民家に移動
10月23日 「今からトルコ」と言われ車で移動したあと、トルコ情報機関の車に乗り換えてアンタキヤの入管施設に運ばれる
以下、安田純平氏会見での発言まとめ
捕まえた組織の名前は分からない
食事は拘束した側と同じメニュー
食事は1日2回、チキンとかスイーツも出た
テレビは1日6時間、食事中は禁止
ごはんのおかわり禁止
食後のデザートを取り上げられたりした
ジュースはおやつの時間しか飲ませてもらえない
日本への身代金要求することにしたと言われた
「絶対にお前を殺さない」と言われた
色々苦労して一緒にビデオ取ったり頑張った
向こうでのあだ名はニダール
同じ場所にいる外国人に安田という日本人がいると悟られないように
1つ目の刑務所では中国人、2つ目の刑務所では韓国人のウマルと呼ばれていた
毎日日記をつけていたので日時の感覚はあった
ノートはなくなったら新しいノートを持ってきてくれた
スパイを疑われ極度の監視状態
音(鼻息、指ならす)を出すと他の囚人が拷問にあう→それを聞かされる拷問
部屋の電気をチカチカONOFFされる
よそ見してる間に扇風機のスイッチを消される
飯はずっと与えられてたが自分から20日絶食したら骨と皮になった
自暴自棄になり話しを聞かれたくなかったら鼓膜を破れと頼む→ドアを蹴るなどして抗議
武装集団のリーダーは松平健似
「あきらめたら試合終了」
本当に文字通りで、あきらめてしまったら精神的にも肉体的にも弱ってしまう。とにかくいつかは帰れるんだとずっと考え続けていましたので、この言葉を書かせていただきました。
| 毎日新聞
安田純平氏本人が「自己責任」と語ったことで、これまでの自己責任VS擁護の論争は終わることだろう
ただ、記者会見の内容から「英雄扱い」や「ジャーナリストとして称賛」される行動ではなかったと思われる
戦場カメラマン渡部陽一さんが語ったとされていた「捕まるやつはその時点でジャーナリスト失格」はデマだったと本人により述べられているが、戦場ジャーナリストと言えど出来る限りのリスクを取り除く努力は必要だろう
記者会見後、菅官房長官は日本政府の見解としてこう述べた
安田さんが記者会見で「拘束していた集団が日本側が金を払う用意があると言ってきた」と述べたことについて、「日本政府は、『国際テロ情報収集ユニット』を中心に関係国に協力を依頼し、さまざまな情報網を駆使して全力で対応に努めてきた。事案の性質上、詳細は差し控えたいが、いずれの場合にも身代金を払うことはない」と述べました。
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命がけで世界の危険な状況を伝えようとする戦場ジャーナリストには頭が下がる思いだが、案内人から自ら離れ知らない人間についていくような行動をするようでは二度と現場には赴かない方が良いだろう
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