公立小中学校のエアコン設置の是非が話題となっているが、現場では各都道府県のエアコン設置率に驚きの格差がありことも分かった
なぜここまで地域により開きがあるのだろうか
文科省の平成29年度、空調(冷房)設備設置状況等調査結果は以下の通り
もくじ
都道府県や市町村で大幅に異なるエアコン設置率
北海道や東北で設置率が低いのは想像に易いとは思うものの、奈良県や愛媛県、長崎県で一桁台となっている
そしてそういった県に隣接する県が比べて高い設置率を示しているのも不思議だ
更に言えば、同一県内においても各市町村で設置率は異なる
例えば先日、最高気温40℃を超えた岐阜県多治見市では公立小の冷房設備の設置率は0%
対して同じ岐阜県の岐阜市と美濃市は設置率100%となっている
もちろん多治見市の気温が40℃を超えた日、岐阜市美濃市でも40℃前後の気温を記録している
なぜ、同じ県内でほぼ同じ気候の市町村でエアコン設置率がこれほど違うのだろう
エアコン設置は各地方自治体の事情による
学校の教室にエアコンを設置するかどうかを決定するのは地方自治体
その長は市長だ
エアコン設置は1教室あたり200万と言われている
さらに電気代などランニングコストも発生してくる
市の財政により市民からの要望があっても、設置に至るには難しい市町村もあるのだろう
各市町村の予算は国と同様に歳入と歳出とがある
歳入には市民税や固定資産税、ふるさと納税などでの収入
国や県からの支出金などがある
それらの歳入からその市町村での事業に賄われることになる
事業内容は駅周辺の都市開発、公共物の補修、道路や上下水道の保全、保育園の運営、市町村主催のイベントなど様々だ
エアコン設置が進まない県は市町村や教育委員会での考えもあるだろうが、それぞれの市町村の財政によるところも大きい
子供のためにエアコン設置を市に要望
今月17日に校外学習に出かけた小1男児(6)が熱射病で死亡した事故では教員の対処に問題があった事実があるが、教室に冷房設備があれば結果は変わっていたかもしれない
愛知県豊田市の公立小中は設置率0.5%
おそらくこの事故のあった小学校もエアコン設備はなかったものと思われる
自分の子供の学校にエアコンの設置を願うなら、市へ要望書を出すのが一般的と思われるが・・・
埼玉県白岡市での「大至急!小中学校エアコン設置を!」という要望書が公開されている
小学生を持つ母親からと思われるその要望の内容を簡単にまとめると
暑い学校の教室を調査に来て下さい
教室は暑くて勉強に集中出来ず、家に帰ってもぐったりして次の日の準備も難しい
これに対し、市長からの回答は
いろいろな事業があり優先順位を考慮して検討するという内容
なかなか簡単にエアコン設置とはいかないようだ
近年、熱中症での死者が急増
厚生労働省の調べでは熱中症の死亡数はここ数年で格段に増えている
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/necchusho25_1.pdf
この死者数の変化が気候によるものか人間の耐性の変化によるものかは分からないが、過去に比べて熱中症への対策が重要なことは明らか
子供たちから熱中症での被害を防ぐため、また死者など出さないために「昔はエアコンなどなかった」といった根性論は捨てて少しでも快適な環境作りを進める必要があるだろう
自民、学校にエアコン設置要望
自民党の学校耐震化・施設整備等促進議連(会長・河村建夫衆院議員)は20日、安倍晋三首相を首相官邸に訪ね、熱中症で愛知県の男子小学生が亡くなったことを受け、全国の学校でエアコンの設置を急ぐよう要望した。首相は「子どもたちの命と安全を守るのは私の責務だ」と応じ、補正予算編成も視野に財政措置を検討する考えを示した。
さきほどの市町村の財政について、各市町村がエアコン設置を推進出来るよう国からの補助をするという内容
日本の宝である子供たちを命の危険から守るため、そして適切な環境で学業に望める施設作りのため、出来る限り早い対応を望みたい
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