会社に雇用されている身としては上司の指示には従うものではあると思いますが、犯罪を犯した上司の代わりに部下が警察に出頭するなどあり得ません
19日午前9時に追突事故を起こした飲食店の会社役員・峰野圭輔容疑者は部下に身代わり出頭させたことが発覚
「酔っていたので事故直後のことや身代わりを頼んだことは覚えていない」との供述から事故当時お酒を飲んでいたことも分かりました
１９日、愛知県豊田市で車に追突し相手の女性にケガをさせたにもかかわらず逃げたとして、３５歳の男が逮捕されました。男は会社の部下を身代わりで出頭させていて部下も逮捕されています。
逮捕されたのは愛知県安城市の飲食店の会社役員・峰野圭輔容疑者（３５）と店員の田中優希容疑者（２４）です。
このうち、峰野容疑者は１９日午前９時過ぎ、豊田市上野町で乗用車を運転し軽乗用車に追突。８４歳の女性にケガをさせたにもかかわらず、そのまま逃げたなどの疑いが持たれています。
警察によりますと、田中容疑者が１９日警察署に出頭しましたが供述が曖昧であったため、峰野容疑者が身代わりとして田中容疑者に出頭させていたことがわかったということです。
調べに対し、峰野容疑者は「酔っていたので事故直後のことや身代わりを頼んだことは覚えていない」などと容疑を一部否認し、田中容疑者は容疑を認めています。
事故が起きた場所
愛知県豊田市上野町の路上
身代わり出頭の罪とは？
犯人の身代わりを立てることは、『蔵匿以外の方法により官憲の発見・逮捕を免れさせる行為』に当たるので、犯人隠避罪になります」
「犯人隠避罪の『教唆』ですね。教唆とは、人をそそのかして、犯意を生じさせ犯罪を実行させることです（刑法61条1項）。『正犯の刑を科す』ということになっていますので、理論上は、正犯（実際に犯罪を実行した人）と同じ法定刑の範囲で処罰される可能性があります。
蔵匿とは隠れる場所を提供することです
身代わりで出頭するということは本来の犯人を隠す行為なので犯人隠避罪に当たるとのこと
犯人隠避罪は3年以下の懲役又は30万円以下の罰金
身代わりで出頭した人も上記の刑罰が科せられることになります
田中優希容疑者（２４）はなぜ身代わり出頭を引き受けたのか？
上司の命令とは言え、ひき逃げ事故の犯人の身代わりで出頭するなど簡単に引き受けることなど出来ません
田中容疑者はなぜ犯罪者になる可能性のある上司からの指示に従ったのでしょう？
過去の佐川急便の駐車違反での身代わり出頭での記事
報道によると、逮捕されたのは、佐川急便・東京営業所の係長ら6人で、東京・中央区の路上で男性社員が勤務中にトラックを運転して駐車違反をした際、元社員や委託先の社員らを警察署に出頭させ、反則金を支払わせるなどした疑いが持たれている。
係長の男性が、運転手から違反の報告を受けると「身代わりという手がある」などと提案していた。出頭した人には、駐車違反をした運転手から2万～2万5000円の報酬が支払われていたという。
法改正後、駐車禁止については違反点数は加算されず、反則金を速やかに支払うだけで解決してしまいます
ですので駐車禁止の身代わりとなる人は反則金を支払いに行くだけでお金がもらえる「割の良いバイト」感覚だったことでしょう
今回の車への追突事故では駐車禁止違反どころではなく、相手にケガをさせていますので過失運転致死傷罪
7年以下の懲役・禁固、または100万円以下の罰金
もし身代わり出頭を頼むために、それに見合う報酬を提示していたとしたら相当な額だったのではないでしょうか
結局は身代わりを引き受けた田中容疑者の供述は曖昧な点が多いということでバレてしまったようです
しかも「酔っていて事故直後のことは覚えていない」と飲酒運転を自ら認める供述
容疑は過失運転致死傷罪から危険運転致死傷罪となりさらに重い刑罰が用意されています
何事にも過ちは正直に反省すべきと言うことでしょう
コメント