自動車やバイクに乗っている人なら、もし歩行者との事故が起きた場合には圧倒的に自動車やバイクの方が過失割合が大きいとは誰もが思っていることでしょう
実際の事故でも歩行者が立件されることはほぼないようです
ですが、1月に起きたバイクと歩行者の衝突事故ではバイクの運転手が死亡し、歩行者は重過失致死容疑で立件されることとなりました
横断歩道の赤信号を無視して交差点を歩いて渡り、バイクと衝突して転倒させ、バイクの運転手を死亡させたとして、静岡県警静岡中央署は3日、静岡市駿河区の男性会社員(41)を重過失致死容疑で静岡地検に書類送検した。
容疑は、1月16日午後11時45分ごろ、静岡市葵区の国道交差点で、赤信号を無視して横断歩道を歩いて渡り、青信号で進入してきたバイクと衝突。バイクを転倒させ、運転手の同区の男性(当時47歳)を死亡させたとしている。男性会社員も首の骨を折る重傷を負って入院したが、現在は退院しているという。
| 毎日新聞
事故の原因は飲酒して赤信号を無視した歩行者
当時、横断歩道で赤信号を無視して渡っていた男性は飲酒しており、それが原因となってバイクの運転手は死亡したとの判断のようです
同署によると、男性会社員は当時飲酒していたとみられ、赤信号を渡ったことは認めているが、「詳細は覚えていない」と話しているという。重過失致死罪は不注意の程度が大きい過失で人を死亡させた場合に適用されるが、同署は、赤信号を無視して渡れば事故を招くことが予見できた▽バイクの進行に気づいたのに回避措置をとらなかった――ことが重大な過失に当たると判断した。
重過失致死罪とはどんな罪?刑罰は?
過失致死傷罪(かしつちししょうざい)とは、過失により人を死傷させる罪である。
過失により人を傷害した場合に過失傷害罪となり(刑法209条1項)、法定刑は30万円以下の罰金又は科料。同条2項により、親告罪とされている。一方、過失により人を死亡させた場合に過失致死罪となる(同210条)。法定刑は50万円以下の罰金。こちらは親告罪ではない。
重過失と過失の違いはハッキリと区別されているものではないようですが、死傷に至る原因となることが明らかであったり、それを回避する行動を取らなかったした場合には重過失となるようです
重過失と判断された場合には刑法第211条が適用されることとなります
第211条
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
もちろん本人は人を殺そうなどとは思ってもいなかったはずです
違法な行為や迂闊な行動(重大な過失)が他人を死なせてしまうこともあるということは、日々私達も意識して生活しなければならないでしょう
歩行者も違反すれば自動車より過失割合が高くなることも
基本的に双方、道交法を守っていれば過失割合は「自動車:歩行者=10:0」となります
ですが、歩行者が横断歩道でない場所で道を渡ったり、急な飛び出し、ふらふらと蛇行しながら歩いている場合など過失割合は大きくなります
さらに今回のように歩行者が赤信号を無視して渡るなどという場合には自動車やバイクよりも歩行者の過失割合が高くなることが多いようです
歩行者や自転車であっても深夜や人気のない道路などで、大丈夫と思って信号無視したり横断歩道のない道を渡ったりすると事故が起きた際には大きな罪に問われることもあり得ますので注意が必要です
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