レーダー照射について韓国側の主張の矛盾や疑問点を検証してみた

日韓関係

韓国軍駆逐艦からの海上自衛隊のP1哨戒機へのレーダー照射についての問題は韓国側の説明が二転三転しており、現在のところは「レーダー照射はしていない」と結論している

日本政府はP1哨戒機の分析データからレーダー照射を受けた「証拠がある」と批判

韓国側は当初、レーダー照射したが威嚇の意図はないとの釈明していたが、韓国の主張はどんな着地点を目指しているのだろうか

「レーダー照射」については日本からの証拠や日韓間での協議を待つとして、これまでの報道からレーダー照射に関する情報以外の韓国の主張の矛盾点を検証してみたいと思う

 

なぜ日本側の抗議を公表しないよう求めるのか

まず一つ目は韓国政府が今回のレーダー照射における日本側の抗議について公表しないように求めたこと

外交省は国防省と協議するとしたうえで、日本側に抗議の事実を公表しないよう求め、問題の拡大を防ぎたい考えをにじませたという。

https://www.asahi.com/articles/ASLDQ36H5LDQUHBI00G.html

21日夕方に岩屋防衛大臣が記者会見を行って以降、韓国側もレーダー照射に関する日本の主張に対して釈明及び反論してきた

その内容は日を追うごとに変わっているため信頼はおけないが、いずれにせよ韓国側に落ち度がないというのであれば「公表するな」とはおかしな話

「海上自衛隊のP1哨戒機が威嚇してきた」

「レーダー照射は行っていない」

韓国側に正当な理由があり、日本側に間違いがあるとするならば正々堂々と公表しあらゆるメディアで伝えてもらえば良いだろう

日本政府や海上自衛隊の行動を非難する絶好のチャンスではないだろうか

公表しないよう要請することに何か裏があるよに思えてならない

 

当時、気象条件が悪かったとする主張

天候が悪かったためにあらゆるレーダーを使用したという主張があるが、その当時の天候はどうだったであろうか

レーダー照射が行われたとされる位置は能登半島の北の海上

20日午後3時、国内では数箇所に雨の形跡があるが悪天候という訳ではなさそうだ

デジタル台風:リアルタイム雨雲レーダー(気象レーダー)画像(Google Maps版)

こちらは風速のデータ

風向を示す矢印が白(0~5m)であることから海上でも大きな波が立つような状況でもない

過去のアメダス実況(2018年12月20日)(風向・風速) - tenki.jp
日本各地のアメダスによる2018年12月20日の気温、降水量、風向・風速、日照時間、積雪深の観測情報を閲覧できます。

海上自衛隊が提供した映像でも悪天候には見えない

- YouTube
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気象条件を理由にレーダーをフル活用したという説明には無理がある

 

軍旗を掲げすに航行する理由は?

さて、これらの映像を見る限り、この韓国軍駆逐艦は軍旗を掲げていないように見える

韓国海軍の国籍旗はこれ

艦首に掲げるものだ

艦尾には国旗(太極旗)を掲げることとなっている

所属を示すための軍旗が見当たらないのは何故だろうか

北朝鮮籍の漁船、遭難信号があったか北朝鮮から依頼があったか分からないが韓国海軍が人命救助という正当な理由で行動していたのなら軍旗を掲げて当然だ

それもなく日本のEEZやや日韓中間水域を航行していたのならそれも問題とされていい

 

さらに言えば北朝鮮籍の木造船一隻のためになぜ軍の駆逐艦が使われたのか

海洋警視庁で足りる話ではないのか?

 

ちなみに救助されたという北朝鮮籍漁船についての映像や画像は提供されていない

その海域で救助活動をしていたという重要な証拠となるのにだ

救出されたとされる乗組員3名と遺体1体は22日に早々に北朝鮮へと引き渡したと伝えられている

 

直上まで接近した哨戒機と駆逐艦で無線が通じない?

海上自衛隊のP1哨戒機からの問いかけに反応しなかった件について韓国側は雑音がひどく聞き取れなかったとしている

だが、韓国軍の主張によるとP1哨戒機は韓国軍駆逐艦の真上まで飛行してきたという

韓国軍によると、日本海で20日、哨戒機が駆逐艦の真上を通過する「特異な行動」を取ったため、レーダーに付随した光学カメラを回して監視したという。

レーダー照射 韓国「一切の電波放射なし」に防衛省幹部「証拠ある」
 韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射した問題で、韓国軍合同参謀本部幹部は24日の記者会見で、レーダーと連動する撮影用カメラで哨戒…

レーダー照射を受けて一旦退避したにせよP1哨戒機からの無線が届かない範囲ではないだろう

韓国軍駆逐艦に搭載されている受信機はよほど性能が悪いのか、もしくは意図的に聞き取りにくいように操作したのか

 

ここまで韓国側からの説明内容に疑問や矛盾が生じるとやはり、「隠したい別の何か」があるように思えてならない

 

12月25日追記

防衛省はまた、照射の理由を問う哨戒機の無線に応答しなかったのは「通信強度があまりにも微弱だった」と韓国側が説明していることに対し、「国際VHFと緊急周波数の計三つの周波数を用いて英語で計3回呼びかけ、確認を試みた」と指摘した。

「駆逐艦の上空飛んでいない」韓国レーダー照射で防衛省が再反論 | 毎日新聞
 防衛省は25日午前、韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射した問題について「駆逐艦から一定の高度と距離をとって飛行しており、駆逐艦の上空を低空で飛行した事実はない」と反論する文書を発表した。

国際VHFの通信距離目安は50から80kmと言われる

韓国軍の通信設備の性能を疑う、もしくは「聞こえてないフリ」をせざるを得なかったか

ちなみに防衛省は韓国軍の自衛隊哨戒機による威嚇飛行があったという発言について

「駆逐艦から一定の高度と距離をとって飛行しており、駆逐艦の上空を低空で飛行した事実はない」

と文書で発表している

 

防衛省が証拠映像公開!韓国は「レーダー照射証拠にならず」「低空飛行で威嚇」と日本を非難

レーダー照射証拠映像公開後の韓国人の反応「低空飛行!」「ダメ英語」「天候悪い」
12月28日19時過ぎ、防衛省により20日に起きた韓国軍駆逐艦からのレーダー照射問題について当時の映像が防衛省ホームページに掲載された この映像はYoutubeでも見ることが出来る また字幕については英語版も掲載されている ...

 

明らかな矛盾や疑問点を無視して日本の対応を非難する韓国紙

日本側の排他的経済水域(EEZ)の上空を飛行していた哨戒機に火器レーダーが照射したとすれば、これに対して日本が抗議することは理解できる。しかし、故意性なく船舶救助の作戦中に起こったという説明にもかかわらず、日本政府とメディアが韓国海軍がまるで「他意」があったように追及することは度を越した反応だ。

当時、海上の気象状態が悪く、機能が優れた火器レーダーまで総動員した状態で、その過程で近くの上空を飛行していた日本の哨戒機にも照射されたという韓国側の説明に不十分な点があるなら、両国の外交・安保ラインを通じて問題を追加提起し、説明を聞く過程を踏めばいい。

今回の問題は、通常の友好国間なら説明して理解することで静かに解決できるし、そうすることが当然の事案だ。

韓日のレーダー騒ぎ、事を大きくせず外交的に解決するべきだ
日本政府とメディアは20日、東海(トンヘ、日本海)沖で遭難した北朝鮮漁船の救助作業中、韓国海軍の火器管制レーダーが日本の哨戒機に照射されたことに対して、連日激しい非難を浴びせている。韓国国防部が日本…

東亜日報はこのように日本の反応に不快感を示しているが、まずこの論説は理にかなっていない

故意性なく船舶救助の作戦中に起こったという説明にもかかわらず、日本政府とメディアが韓国海軍がまるで「他意」があったように追及することは度を越した反応だ。

日本のEEZや日韓中間水域で救助活動を行うなら日本の哨戒機が近づく前に日本へ伝えるべきだった

それを怠り、接近してきた日本の哨戒機にレーダーを向たことから今回の事態が起こったことをたとえ韓国民でも自覚しなけらばならない

次いで

当時、海上の気象状態が悪く・・・

先に説明したが、その時の天候は過去の気象データを確認すれば「気象状態が悪く」と記事に書けるはずはない

韓国軍の説明をそのまま書いたのだろうが、記者の仕事としては怠慢と言わざるを得ないだろう

通常の友好国間なら説明して理解することで静かに解決できるし、そうすることが当然の事案だ

そう思うならまずはレーダー照射について韓国側からの謝罪がなければ会話は始まらない

(この記事の時点ではレーダー照射を行ったが威嚇の意図はないとされていなかった)

 

韓国では「たいした問題でもないのに日本は過剰反応が過ぎる」といった意見もあるようだが、レーダー照射を向けられた直後にはミサイルが向かってくる可能性という危険を自衛隊員は感じているのだ

韓国軍がそんな想定もなく軍の服務に就いているならそれでも良いが、相手に危険を感じさせる行為に及んだために謝罪が必要なのだ

 

日本政府や自衛隊が納得出来る釈明や謝罪がないばかりに、ここまで大きな問題となったと韓国紙記者でさえ気付いていないようだ

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