7月23日に起きたラオスのセピエン・セナムノイダムの決壊
現在のところ死者27人、行方不明者百数十人、家屋を失った人は数千名とされているがラオス政府も正確な数字は把握出来ていない
このダム決壊について施工した韓国SK建設の「想定外の豪雨」による被害との主張にラオス国内や海外メディアから疑問も声が上がっていた
しかし、ラオス政府高官から正式にSK建設に対して欠陥工事を指摘するコメントが発表された
ラオス紙によると、同国のエネルギー鉱山相は「規格に満たない工事と予想以上の豪雨が原因であるようだ。補助ダムに亀裂が入り、この隙間から水が漏れてダムを決壊させるほど大きい穴が生じた」と主張。副首相も「洪水はダムに生じた亀裂のために起きた。被害者への補償も一般的な自然災害の場合とは異なるべきだ」などと強調した。
朝鮮日報も駐ラオス韓国大使の話として「(ラオス政府は)どんなに降雨量が多くても、(ダムの)設計がそれに耐えられるようになっているべきではないかと考えている」と報道。「人災」の可能性もあるとみている。
ダム決壊は「豪雨」のせいか「欠陥工事」のせいか
ラオス側が要求する「特別補償求」は今回のダム建設が欠陥工事、つまり「手抜き工事」だったかが争点となる
今回のダムの工法は「アースダム」と言われいわゆる「土のう」を積み上げて河川をせき止めるのと似ている
【ラオスダム決壊】 韓国製ダム、幼稚園児が見ても決壊する事が一瞬でわかる一枚の画像がやばいwwwwww https://t.co/068W9qmtjW pic.twitter.com/bdlrFYDksW
— ニュースポータル (@newspot_antenna) 2018年7月27日
ダム工法の中ではかなり古い工法の一つで、耐震性や越水時の耐久性に不安のあるものだ
これも問題ではあるだろう
日本の建設関係者は以下のように語っている
日本の大手ゼネコン関係者は「ダムに限らず、どんな工事でも、建設会社は計画段階から安全性を重視して進める。ラオスで決壊したダムは、手順通りに施工しないなど、何らかの瑕疵(かし)があったのではないか。そうでなければ、あれほどの被害が出ることは考えられない」と話した。
予想以上の豪雨の場合、放水操作の誤りによりダム上部より越水することもあるだろう
その場合ダム本体周辺の土も削られることになり、決壊の可能性も高くなる
それを防ぐために満水前に放水という手順が必要になるわけだが、今回のダムはそれ以前にダム本体に亀裂が生じていることが確認されている
また現地からの報道を総合すると、
7月20日、貯水池造成のために建設した五つの補助ダムの一つが豪雨で約11センチ沈下。沈下は許容範囲内だったため措置を取らなかったが、22日になってダム上段部10カ所に拡大し、翌日の23日午前11時にはダム上段部が約1メートル沈下したことから、午後2時半に補修作業に着手しようとしたところ、沈下が加速してダムの一部が壊れたという。
「補修作業に着手しようとした」とあるが、23日はダム決壊の当日
とても補修など出来る状況ではなかったものと思われる
また補修作業をしようにも必要な重機などすでに撤収してしまっていたとの情報もある
せめて7月20日の時点で対策を講じていれば、死者を含めこれほどの被害が出なかったのではないかと悔やまれる
この点についても韓国SK建設の対応は不十分だったと言えるだろう
ラオス側にも落ち度はある
今回のセピエン・セナムノイダムの建設入札には日本のゼネコンも参加していた
だが、SK建設は「日本より格段に安くする。日本より短期で完成させる」と施工を取り付けたようだ
ラオスでは雨が多く、ダムによる水力発電を国外に輸出するといった事業を行っている
ダム建設について全くの素人という訳ではない
「格安・短期間」との謳い文句に負けて韓国業者に発注したのはラオス政府の責任だ
しかも朝鮮日報によるとラオス側は工期を大幅に短縮した功績としてSK建設に22億円のボーナスを支給したとしている
建設状況についてラオス側からの査察が入っていたのかは知らないが、こういった約束がされていたなら是が非でも工期を縮めたくなるのは当然のことだ
これらのことからこのダムが「手抜き工事」であったとしてもラオス側に間違いがなかったとは言い切れないだろう
また3~4時間前の避難指示に対して、ラオス住民の対応が鈍かったという指摘もある
雨の多いラオスでは多少の豪雨も生活を脅かすものとは考えなかったのだろう
結果、ダム決壊は12mの大波を発生させ50億立方メートルをいう膨大な水量で住民を巻き込んだ
非難指示に対して十分な非難が出来ていれば、被害を最小限に出来たものと思われる
韓国企業などが建設のダム決壊 ラオス首相は建設会社の責任追及へhttps://t.co/8GXn1G47f1
→ラオス首相「ダムが決壊した原因を徹底的に調査する」
→米紙NYタイムズ「欠陥建築か、大雨にかかわらず水をためすぎた判断が原因だろう」
→不発弾や地雷が洪水被害で流出し救援活動の支障に— 産経ニュース (@Sankei_news) 2018年8月1日
もちろんダム決壊ということ自体がラオスにとって想定外だっという事実は揺るがないことだが
ダム決壊の余波
日本経済新聞によると韓国場外株式市場でSK建設の株価が急落
25日午前11時30分時点の株価は2万6500ウォン(約2613円)と、前日比で26%下落
SK建設の施工への信頼の低下もあるだろうが、多額の損害賠償発生への懸念も大きい
今後の海外事業の受注にも大きな影響を与えることは間違いないだろう
ZAKZAKでは
「突然、韓国のネット上で『工事で使った設計図は日本のものだ』『決壊した部分は日本の業者が工事した』という情報が流され、『すべて日本が悪い』という世論操作が始まっている」
といったことが報じられているが、これはあくまで一部の掲示板やSNSに流れた情報を集めたものだろう
設計図はもとより工事についても日本は一切関与していない
【ラオス韓国建設のダム決壊】
日本の迅速な支援にSNSで感謝の声が…
日本も豪雨災害で苦しい時に、それでもラオス国民を助けてくれてありがとう。
日本が40年前に造ってくれたダムの方が安全だ。素晴らしい国だ。
ラオスから100万回のありがとうを贈ります。 pic.twitter.com/IpfwLOoIEh— あっきー (@wB1HqwmdlNOHH3x) 2018年7月28日
韓国人や韓国政府が本気でそんな考えを主張していないことを心から願う
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